「ひじきって体にいいって聞いたのに、ヒ素が含まれてるって本当?」
「妊婦さんは食べない方がいいの?」
そんな不安を持って検索された方へ。
この記事では、NHK『ためしてガッテン』で紹介された内容をもとに、ひじきのヒ素についての正しい知識と、安心して食べるための調理法、さらには健康効果やおすすめレシピまで、丁寧にまとめました。
ためしてガッテンの情報によって不安を感じている方にこそ、ぜひ読んでほしい情報です。
ひじきにヒ素が含まれているのは本当?
はい、ひじきには「ヒ素」が含まれています。しかし、これは産地に関係なく、ひじきという海藻自体に含まれている成分です。
2004年、イギリスの食品規格庁(FSA)が「ひじきには発がん性のある無機ヒ素が多く含まれている」として、イギリス国内での摂取を控えるよう国民に呼びかけたことが話題となりました。
この発表は一部で大きな波紋を呼びましたが、それを受けて日本の厚生労働省は冷静な見解を公表。
日本人が日常的に摂取しているひじきの量であれば、健康被害が起こる心配はないとの立場を示しました。
さらに、日本ではこれまでにひじきの摂取によるヒ素中毒などの健康被害が報告された事例はありません。
このことから、ひじきは長年日本人に親しまれてきた伝統的な食品として、現在も適切な量であれば安心して食べられるとされています。
2006年5月10日に放送されたためしてガッテンでは、ひじきにはヒ素がたくさん入っていて、ヒ素は体に悪いもの、と解説されました。
日本ひじき協議会のQ&Aでは、ためしてガッテンを観てひじきのヒ素について不安を感じた方からの質問に、以下のように回答されています。
Q 日本のひじきにはヒ素が含まれていて、妊婦は摂取を控えた方がよいというのは本当でしょうか? 妊婦の妹が鉄分・ミネラルを摂るのに毎日、ひじきを食べていたのですが、昨日、テレビでそのことを知りショックを受けています。 私もそんなことを全く知らなかったので、驚いています。
A ひじきにヒ素が含まれているのは事実で、これは日本産とか韓国産・中国産で違っているものではなく、ヒジキ自体にヒ素が含まれているのです。
たしかに、「ヒジキにヒ素が入っている」→「ヒ素は体に悪い」→「ヒジキは体に悪い」という三段論法は成り立ちます。
今回、NHKためしてガッテンで出ていた方は、ヒ素の第一人者であることは確かですが、工業用に使用するヒ素(基板の洗浄等に使用)の人体への影響の専門家で、食物からのヒ素摂取の影響については実験すらされていないと聞いています。
また、妊婦や乳幼児への影響を唱えているのは、今のところあの方だけの理論のようです。
我々がお願いしている研究者の方も、ヒジキを食べても何ら問題ないし、心配なら水戻ししただけで半分以上のヒ素が除去できるんだから、普通に食べている内は全く大丈夫。と言ってくれていますし、本当に問題があれば、今回のイソフラボンのように食品安全委員会から警告が出されます。
ある先生に言われました。
「突き詰めて全ての成分を分析すれば、全ての食品には発ガン性のある物質の一つや二つは入っている。
焼き肉や焼き魚のコゲも発ガン性はあるが、だからと言って妊婦や乳幼児が食べていけないことはない」と、要はバランスのようです。
どんな食品でもそうですが、限度無く一つの食品だけを大量に食べ続ける事は良くないと思いますので、バランスの良い食事を心がけて頂き、その中で、ヒジキの持つ有用な成分にご注目して、うまく食事に取り入れて頂ければ良いと思います。
よろしくお願い致します。
ひじきにヒ素が含まれていることは事実ですが、ひじきは通常、乾燥させた状態で売られていて、水で戻してから調理しますよね。
その「水で戻す」工程だけでも66%以上のヒ素が取り除けると言われています。
ためしてガッテンでは、ヒ素をできるだけ多く取り除く戻し方も紹介されていました。
ためしてガッテンが教えるヒ素を減らす下処理法
ためしてガッテンでは、ひじきに含まれるヒ素のリスクを減らすための具体的な下処理方法が紹介されていました。
これを実践すれば、栄養を損なわずに安全にひじきを食べることができます。
ヒ素は水によく溶ける性質
東京都福祉保健局の実験によると、ひじきに含まれるヒ素はよく水に溶ける性質が明らかになっています。
また、ひじきの安全性や食品中の無機ヒ素について、食品安全委員会と厚生労働省のコメントを見つけました。要約は以下のとおりです。※公表日2011年1月14日
食品安全委員会のコメント(要約)
- ひじきには無機ヒ素が高濃度で含まれていると文献で報告されている。
- しかし、日本人が通常の量を食べる限り、健康被害が起きた事例は報告されていない。
- 調理時の水戻しによってヒ素は75〜95%除去される(特に水温が高いと除去率が高い)。
- 水戻しなど一般的な調理法で調理されたひじきを適度に食べるなら、健康への心配は不要。
- ミネラル豊富な海藻の一種として、バランスの良い食事を心がけることが重要と考えている。
厚生労働省のコメント(要約)
- ヒ素は自然界に広く存在し、海水中のヒ素をひじきが取り込んでいる。
- ひじきは日本の伝統食材であり、これまでにヒ素中毒などの健康被害は報告されていない。
- 調理時に水洗い・水戻し・茹でるなどの工程で、ヒ素の38〜96%が除去される。
- 無機ヒ素の摂取量を減らすには、下処理で戻し水や煮汁をきちんと捨てることが有効。
- 極端な摂取を避けて、バランスの良い食生活の中で取り入れるべきと呼びかけている。
東京都福祉保健局、食品安全委員会、厚生労働省、どのコメントを見ても、水戻しをすればヒ素の多くは除去されると書かれていて、バランスよく摂れば問題ないとの見解ですね。
妊娠中の方や赤ちゃんも、食べ過ぎなければ大丈夫です!※安全な量は記事の後半で解説します。
ガッテン流・ひじきのヒ素を減らす下処理ステップ
それでは、ためしてガッテンで紹介されたヒ素を減らす下処理をご紹介します。

ためしてガッテン以外の情報では、以下のような情報もありました。
- 80℃程度のお湯で戻す
- 5分で約93%、10分で96%のヒ素が除去可能という実験データもあります。
- ゆでこぼしを加える
- 水戻し後、再度新しい水で5分間沸騰させたのち、湯を捨てて水洗いすると、ヒ素を90%以上除去できると農林水産省も推奨しています。
水で30分よりも80℃程度のお湯で5分戻す方が、多くのヒ素を除去できます。戻した水を使うレシピもありますが、ヒ素を除去する目的では、戻すときに使った水は捨てるようにしましょう。
水戻しに使った水を捨てたり、茹でこぼししたりしても、鉄分・カルシウム・食物繊維などの大事な栄養素は、70%以上残ることも分かっています。
これらの方法を組み合わせることで、ひじきの栄養素はそのままに、ヒ素のリスクをしっかり減らすことができますね。
手間は少しかかりますが、安心して食卓に取り入れるための大切な工程です。
安全に食べるための目安量とは?
厚生労働省やWHOの基準に基づくと、無機ヒ素の摂取量の上限は体重50kgの人で1日あたり107μg。
これを超えるには、毎日ひじきを水戻し後で40g(小鉢2杯分)以上、長期間継続して食べる必要がある計算になります。
つまり、週に2~3回、副菜として少量食べる分には全く問題なしですよ!妊婦さんや赤ちゃんでも、正しい下処理を行えば安心して食べられます。
ひじきは、鉄分・カルシウム・食物繊維など、子供や妊婦さんにとっても必要な鉄分やミネラルがたっぷり含まれており、健康的な食事にぴったりの食材です。
ヒ素の心配だけに気を取られず、正しい下ごしらえ+バランスの良い食事で、安心して美味しくひじきを食べていきましょう。
ためしてガッテン!ひじき料理
ためしてガッテンではひじき料理が紹介されました。
ひじきといえば煮物が定番ですが、ためしてガッテンらしい少し変わったレシピですので、ぜひ試してみてくださいね。
健康に良いひじきを美味しく食べるレパートリーの幅が広がります♪
ひじキッシュ
長ひじきのザーザー混ぜ
ひじきのお花焼き
【まとめ】ひじきのヒ素は怖くない!調理でしっかり対策しよう
- ひじきに含まれるヒ素は確かに存在するが、正しい調理で90%以上除去可能
- 通常の摂取量(週2~3回、小鉢1杯程度)では健康リスクなし
- 妊婦さんや子どもでも、下処理をすれば安心して食べられる
ためしてガッテンの知恵を活かして、健康的に、そして安心してひじきを楽しみましょう!