「びわを食べたら喉がかゆい…」そんな経験ありませんか?
果物を食べたあとに喉の奥がムズムズしたり、かゆみを感じたことはありませんか?
実はそれ、ただの違和感ではなく「果物アレルギー」の可能性があります。中でも近年、びわによるアレルギーが増えているとして、NHK『ためしてガッテン』でも2015年に特集が組まれました。
この記事では、番組で紹介された「びわアレルギー」の正体やメカニズム、予防・対処法についてわかりやすくまとめました。また、医療情報として知っておきたいびわアレルギーのリスクについても詳しく解説します。
『ためしてガッテン』で紹介された「びわアレルギー」の正体
2015年5月に放送された『ためしてガッテン』では、「果物アレルギー」特集が組まれ、びわを含む果物が引き起こすアレルギー反応について詳しく解説されました。
ためしてガッテンの番組で取り上げられた実例
ある女性は、びわを食べたときに喉の違和感を覚え、それ以降、りんご・梨・桃と次々に反応が出るように。最終的にはサクランボを食べた後、腹部に激しい痛みを感じて救急搬送されました。
このように、1種類の果物だけでなく、複数の果物にアレルギー反応が広がっていくことから、番組では「連鎖型果物アレルギー」と呼んでいました。
その正体は「口腔アレルギー症候群」
実はこの「連鎖型果物アレルギー」、医学的には「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれるもの。花粉症と密接に関係しており、花粉と似た構造を持つ果物の成分に免疫が過剰反応することで起こるのです。
ためしてガッテンに学ぶ!花粉症とびわアレルギーの関係

「花粉症」と「果物アレルギー」に密接な関係があると聞くと、驚く人も多いかもしれませんが、実は医学的にも認められている事実です。
びわアレルギーは、特にハンノキやシラカバといったカバノキ科の花粉にアレルギー反応を持っている人に多く見られます。
これらの花粉症を持つ人は、びわを含む一部の果物に対しても過剰に反応してしまうのです。
この記事を書いていて思い当たったのですが、私の夫は酷い花粉症で、メロンとキウイを食べると喉がイガイガすると言います。まさか関係があったなんて驚きました!
花粉と果物の“構造の類似性”がカギ
その理由は、びわに含まれる特定のタンパク質の構造が、花粉のアレルゲンと非常によく似ているため。
体がそれを“花粉”と認識してしまい、アレルギー反応を引き起こしてしまうのです。このような反応は「交差反応」と呼ばれ、花粉症の人に多く見られます。
花粉と連動して注意すべき果物・野菜
以下に、特定の花粉にアレルギーを持つ人が注意すべき果物や野菜の一例を挙げます。
どの果物・野菜に反応が出るかは個人差がありますが、花粉の種類によっておおよその傾向があります。
知っておきたいポイント
- 花粉症を持っている人は、ある日突然びわに反応するようになることがあります。
- 果物アレルギーの初期症状は軽く見えますが、徐々に重症化するケースもあるため要注意。
- 体質や季節の影響を受けるため、毎年症状が変わることもあります。
花粉症とびわアレルギーは切り離せない関係です。日常の中で“なんとなく違和感”を感じたら、早めに専門医の診断を受けましょう。
小学校での事例に見るびわアレルギーのリスク

2019年、東京大田区の小学校でビワ・アレルギーと思われる症状で、生徒11人が救急搬送されたというニュースがありました。
また、2024年には、山梨県の小学校で給食に出されたびわを食べた児童が、アレルギー症状を訴えて保健室に運ばれるというニュースが報じられました。
幸い大事には至りませんでしたが、学校や保護者にとってびわアレルギーの存在がより身近なリスクとして認識され始めています。
このような症状が起きる背景には、やはり花粉症との関連があるとされ、特にハンノキなどにアレルギーを持っている子どもが反応しやすいことがわかっています。
「果物=健康によい」というイメージがあるだけに、アレルギーが見過ごされがちですが、子どもが「口の中が変」「喉がイガイガする」と訴えた場合は、すぐに医療機関での確認が大切です。
このような事例からも、びわアレルギーは決して他人事ではないということが分かります。特にアレルギー体質のあるお子さんを持つ家庭では、あらかじめ医師に相談し、給食の果物にも気を配る必要があります。
ためしてガッテン!自分もびわアレルギー?チェックと対策方法

びわアレルギーの主な症状は、食後すぐに現れる口の中や喉の違和感、かゆみ、腫れといったものです。
軽度の症状としてはムズムズした感覚や軽いかゆみなどがありますが、重症化すると呼吸困難やアナフィラキシーといった命に関わるケースも報告されています。
よくある症状
- 喉の奥がムズムズする、違和感がある
- 口内がピリピリする、かゆいと感じる
- 唇やまぶた、顔まわりが腫れる
- 嘔吐や腹痛、息苦しさを伴う重篤な反応
対処法と予防策
- アレルゲンを特定する
- アレルギー症状が気になる場合は、まず病院でアレルギー検査を受けましょう。血液検査やプリックテストなどで、どの果物や花粉に反応するかを確認できます。
- びわの摂取を避ける
- 検査でアレルゲンとわかった場合は、びわの摂取は避けるのが基本です。また、加工食品やデザートに含まれるびわエキスにも注意が必要です。
- 加熱調理でリスク軽減
- 生のびわでは症状が出る人でも、加熱することでアレルゲン性が低下し、症状が出にくくなることがあります。ただし体質により異なるため、必ず医師に相談してください。
- 症状が出たらすぐに医療機関へ
- 呼吸困難やじんましん、意識障害などの重い症状が出た場合は、迷わずすぐに医療機関を受診してください。自己判断で様子を見るのは危険です。
日頃から「何を食べたときにどんな症状が出たか」を記録しておくと、医師に相談する際の手がかりになります。
びわアレルギー以外にも気をつけたい「びわの注意点」

アレルギー以外でも、びわには摂取の際に注意すべきポイントがあります。
種は絶対に食べないで!
びわの種には「アミグダリン」という有害成分が含まれており、体内で分解されると毒性のある青酸を発生させます。
ネットなどで「健康に良い」と紹介されているケースもありますが、信じて摂取するのは非常に危険です。
食べ過ぎもNG
びわは食物繊維が豊富ですが、摂りすぎるとお腹がゆるくなったり、逆に便秘を悪化させたりすることも。1日5〜6個を目安に、食べすぎには注意しましょう。
まとめ|びわアレルギーは「花粉症持ちさん」に要注意!
『ためしてガッテン』で取り上げられたように、びわによるアレルギーは、単なる食べ物アレルギーではなく、花粉症が背景にある「口腔アレルギー症候群」であるケースが多いです。
小学校での事例からもわかるように、子どもであっても突然アレルギー反応を起こすことがあります。
特に花粉症を持っている方は、びわアレルギーに発展するリスクが高いため、早めのチェックと対策が大切です。
安心して果物を楽しむためにも、自分の体と向き合うことから始めてみてくださいね。