「鉄フライパンや中華鍋は洗剤で洗ってはいけない」 そんな“常識”を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
たしかに、多くの料理本やサイトでも「洗剤NG」「油膜が落ちるから水洗いだけで」と書かれています。
しかし、NHKの人気番組『ためしてガッテン』では、それとは真逆の「洗剤OK」という驚きの事実が紹介されていたのです。
今回は、「鉄フライパン 洗剤 ためしてガッテン」というキーワードをもとに、鉄フライパンを洗剤で洗ってもOKな理由と、長持ちさせるためのポイントをわかりやすくご紹介します。
記事の後半では、超簡単なツルツル鉄フライパンの作り方と、私が8年使っている鉄フライパンもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください♪
『ためしてガッテン』が紹介したプロのフライパン手入れ術
2015年の『ためしてガッテン』では「中華鍋の焦げつき」がテーマとして取り上げられました。そこで紹介されたのは、中国料理のプロが行っている“意外な手入れ方法”でした。
プロは洗剤で洗う!しかも乾かさない?
番組では、プロの料理人が使ったあとの中華鍋を
- 洗剤でしっかり洗い、
- 乾かさず、
- 油も塗らず、
- そのまま伏せて保管 している様子が紹介されました。
「え!? 洗剤で!? 油塗らないの!?」と驚いた人も多いはず。
でも実は、これでちゃんと焦げつかず、サビることもなく、日々問題なく使えているというのです。
洗剤で洗っても大丈夫な理由は「重合した油膜」
この不思議な現象のカギは「重合(じゅうごう)した油膜」にありました。
重合とは?
重合とは、油の分子が高温によって結びつき、ポリマー(巨大分子)になること。
たとえば、揚げ物の古くなった油がドロッと粘り気を帯びるのも、重合が進んでいる証拠です。この粘着性の高い油膜は、普通の洗剤では簡単に落ちないくらいしっかりと鍋に定着します。
この重合した油膜が、鉄のフライパンや中華鍋をコーティングし、焦げつきを防ぐ“保護膜”となっているのです。
つまり、プロのフライパンは高温でガンガン調理するので、自然とこの「重合膜」が育ちやすく、洗剤で軽く洗ったくらいではびくともしないというわけです。
家庭での使い方は?洗剤OKの条件とは
プロの厨房と違い、家庭のコンロは火力が弱いため、同じように扱ってもうまくいかないこともあります。
家庭で洗剤を使うなら、次の条件を意識しましょう
- 最初にしっかり焼き込み(シーズニング)を行う
- 黒錆(酸化皮膜)をしっかりつけておくと、油膜が定着しやすくなります。
- 料理後、洗剤で軽く洗ってもOK!
- 汚れや焦げを落とす程度の洗浄であれば、油膜を傷つけすぎることはありません。
- 再加熱で水気を飛ばし、軽く油を塗ると安心
- プロのように乾燥なしでもOKな鍋に育つまでは、やはり最後の加熱と油ひきは効果的です。
ポイントとしては、うっかり洗剤で洗ってしまったり、汚れが気になる場合に多少洗剤を使って軽く洗ったりしても問題ない、ということ。
毎回洗剤を使わなければいけないということではなく、基本的には水洗いで十分です。
よくある疑問Q&A
Q:じゃあ、洗剤でガシガシ洗ってもいいの? A:あくまで“軽く洗う”ことを前提に。強力洗剤やタワシでゴシゴシやると、黒錆や油膜が剥がれやすくなります。
Q:乾かさないとサビるのでは? A:高温で水分を飛ばすか、しっかり油膜が育っていればサビにくくなります。とはいえ初期段階では念のため乾燥+油塗布を推奨します。
Q:重合膜を早く作るには? A:とにかく「高温調理」。揚げ物や炒め物など、煙が出るくらいまで加熱するレシピが効果的です。
鉄フライパンをくっつかないツルツル状態に育てる方法
ここまで、『鉄フライパンを洗剤で洗っても大丈夫』ということをお伝えしてきました。
しかし、基本的には洗剤を使う必要はなく、水洗いだけで十分です。
ところで、鉄フライパン、くっつかずにツルツルな状態で手軽に使えていますか?
ここからは私がいろいろ調べた中で、くっつかない鉄フライパンにする一番簡単な方法をご紹介します!
1. コーティングの基本は「油を熱して冷ます」
鉄フライパンをくっつかない状態にするには、「表面に油の被膜を作ること」が重要です。そのために行うのが、加熱 → 油投入 → 冷却のプロセス。
この作業にはサラダ油を使いましょう。
油は以下のように分類できます。
- 乾性油(エゴマ油・アマニ油):理想的な被膜ができるが高価
- 半乾性油(サラダ油):手頃で扱いやすく、日常使いに十分
- 不乾性油(ごま油・オリーブオイル):ベタつきが残るためコーティングには不向き
ということで、エゴマ油などの乾性油を使ってもよいですが高いので、サラダ油で十分です!
この時、油は高温により酸化して粘りが出ます。冷めると固まり、フライパン表面に定着してコーティング膜になります。
2. 「冷ます時間」が最大のポイント
フライパンが熱い状態でそのまま食材を入れると、まだ油膜が固まりきっておらず、くっつきの原因に。
一度しっかり冷ましてから調理を始めることで、表面がツルッと整い、くっつきにくくなります。
急いでいるときは濡れ布巾にフライパンをのせて、ジューッと音がしなくなるまで急冷すればOKです!
3. コーティング完了後の調理方法
先ほどご紹介した手順「加熱 → 油投入 → 冷却」でコーティングしたフライパンは、以下の手順で使います。
コーティングの段階で油が付いているので、炒め油は必要無いのでは?と思うかもしれませんが、必要です!
コーティングした油と炒め油は別、と考えてしっかり油を入れて調理をしてくださいね。この調理用の油は先ほどの分類に関係なく何でもOKです。
4. 使用後のお手入れ方法
- 水だけで洗い、金属ヘラで焦げをこそげ落とす
- 水をかけながら金たわしでシャカシャカ
- 水分を飛ばすため再度空焼きして乾燥→毎日使う場合はこのまま置いておけばOK
- 使用頻度が低いときは薄く油を塗って保管
5. 直前コーティング vs 前日準備
使い終わったあとに、明日も使う予定がある場合
「【加熱 → 油投入 → 冷却のコーティング】を今のうちにやってしまえば明日までには冷めて、すぐに使えるわ♪」
っと思いますよね。
実は、前日にコーティングしておいてもある程度効果はありますが、ツルツルな仕上がりを求めるなら断然「直前コーティング」がおすすめ!
私の経験上、前日コーティングと直前コーティングでは、ツルツルさが違います。
明日も使うのなら、洗って火にかけたらそのまま放置して、当日の使う直前にコーティングをしましょう。
手順としては、調理を開始する最初に鉄フライパンのコーティングを済ませ、冷ましている間に食材の準備をするとスムーズです。
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こちらは金属会社の製品で日本製なので安心ですし、使い勝手もよいですよ♪
2つセットでとってもお安いので、3,980円以上になるようにもうひとつフライパンを足して送料無料で買いました。
8年に買ってうまく扱えず一度は死にかけたこのフライパンですが、今回ご紹介したコーティング方法を知ってからはずーっとツルツル!この先も焦げ付く気がしません。
参考にさせていただいた動画はコチラ。
この動画でも1,500円程度の鉄フライパンと言っていますね。安い鉄フライパンでも十分使えます。
鉄フライパンは一度コツをつかめば、テフロン以上に頼れる存在になります。焦げつき知らずのツルツル鉄フライパン、ぜひ試してみてください!
まとめ|鉄フライパンは“洗剤NG”の時代から進化中!
鉄のフライパンは「洗剤で洗ってはいけない」というイメージが根強いですが、『ためしてガッテン』の放送内容からわかるように、実は洗剤で洗っても問題ないケースがあるのです。
そのカギは、「油脂の重合」による頑丈な油膜。これをうまく育てることができれば、洗剤で軽く洗っても、サビず、焦げず、快適に使い続けられる「万能鍋」になります。
プロのように育った鉄フライパンは、実はとってもメンテナンスがラク。あなたのキッチンでも「便利鍋ライフ」、始めてみませんか?